雑貨・茶房 弧蝶

雑貨・茶房 弧蝶 店内雑貨・茶房 弧蝶 店内『雑貨・茶房 弧蝶』オーナー 向田邦江さんは、やりたいことのビジョンがしっかりと固まっていて、自分の意志をはっきりと表現する人。
依頼内容がはっきりしているという点では、作業をする側としては方向性に迷いが無く安心感がある。要求されたものを作り上げるだけでよいのだ。
しかし、『はっきりとしたビジョンがある。』ということは、できあがるものを見る目が必然的に厳しくなるということだ。彼女の思い描くイメージに忠実に完成させることができなければ、満足感を感じていただくことができないということである。デザイン重視であることや、コンセプトが独特で、個性的な店舗の内装。
楽しさもあるが、自分の感性や、仕事の精度を試される仕事でもあり、緊張感がはしる。

弧蝶オーナー向田さんが求めるイメージは、東洋的な世界。
その中にはもちろん日本を中心としたアジアが含まれるが、ヨーロッパやイスラム圏のイメージも入ってきたりする。
教科書や文献の中にみる「東洋的」ではなく、向田さんの頭の中にある「東洋的」なのである。
海外生活の長い彼女には、これまでの人生の中で見たり経験したりしてできあがった、彼女ならではの独特なイメージがある。
もちろん同じ経験などしたこともない私が『東洋的』という言葉で思い浮かぶイメージとはかけはなれたものだ。
これから自分の城を構えようと夢をふくらませている方に満足していただくためには、このイメージの共有という工程はもっとも重要なものであると私は思う。
そして、その感覚的なもののやりとりの難しさや繊細さもふまえた上で丁寧に、時間をかけて進める必要がある作業だ。

弧蝶 雑貨今回は、古民家のリノベーションである。
小さめの入り口から、奥へ奥へとつながる、昔ながらの作りの住宅を利用した店舗を作っていく。
『雑貨・茶房 弧蝶』は、この奥へ、奥へとつながっていく形を利用して、入り口からすぐに部屋、建物の中心となる部屋、一番奥の部屋を、段階を経てコンセプトを変えて行く。
入り口に一番近い雑貨ルームには、向田さんこだわりのセレクト雑貨が並ぶ。
京都の老舗から取り寄せたというお香や、日本では取り扱いが少ないというダイアリー手帳、マイセンの食器や、アール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナー・アルフォンス・ミュシャの原画などの展示・販売もある。
このエリアが一番幅広い意味での『オリエンタル』なエリアになる。
そして、一番人の出入りが多くなるであろうこの部屋は、奥に繋がる2部屋とくらべると大変開放感のある空間となっている。

弧蝶 喫茶昔ながらの古民家へ運び込まれる、高級感のある家具や照明器具。
柱や、天井の木材の長い時間をかけて完成した良さを生かしつつ、建物全体の補強や、高級な雰囲気を加えるために新しい素材も使用する。
雰囲気重視ではあるが、だからといって、過ごしにくい空間になってしまってはもともこもない。
左の写真は、施工途中の喫茶ルーム。
床は畳のまま、壁は補強素材のままの状態で、少々アンバランスなイメージになっている。
この後、向田さんと相談を重ねつつ、床をフローリングに、壁に壁紙を貼り、雰囲気を馴染ませていった。
薄暗い部屋の中に暖かみのあるオレンジの照明で、ほっと落ち着ける空間に仕上がっている。
中国茶や、自家焙煎の珈琲を飲みながら長時間くつろいで過ごしてくださるお客様が多いとのこと。
店主である、向田さんのお人柄あってのことではあるが、空間を手がけた者としてもうれしい限りである。

弧蝶 シーシャそして、おまちかねの一番奥の部屋は、愛知県でも数少ない、シーシャ(水タバコ)が楽しめる部屋になっている。
そして、この部屋のコンセプトは、なんと『遊郭』。
真っ赤に塗られた壁には部屋をぐるりと取り囲むように龍が描かれている。
この龍を描いたのは、クリエイターのお友達の多い向田さんのお友達の女性。
遠方からこのために犬山に来られた彼女は、限られた日数の中で完成させる必要があり、下地の準備から龍の完成までは、とてもタイトなスケジュールであった。

大変な作業とスケジュールの中、龍を描かれたお友達の他にも向田さんのお友達がたくさん集まり皆さんで楽しく、まるで文化祭の準備をするように作業を進めらていく。
向田さんがお店のコンセプトとして何度も口にしていた言葉は、「大人の悪ふざけ」。

遊ぶように、楽しんで仕事がしたい。

一生懸命、心から遊ぶ。

弧蝶 シーシャこれは、ものをつくるものとして忘れてはいけないことだ。
効率の良さや、合理性を追求するあまり、面白みのない仕事をしていないだろうか?
どこかでみたことのあるようなものを繰り返し作ってはいないだろうか?
自分で考えたものを作っているだろうか?
知識や技術を磨き続けるのは職人としてあたりまえのこと。
それに、プラス。遊び心を忘れてはいけないな、と、今回関わらせていただ仕事で再認識させていただいた。

雑貨・茶房 弧蝶

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